優良な一般監理団体になるためのポイントチェック!

監理団体は、「一般監理事業」を行う一般監理団体と「特定監理事業」を行う特定監理団体の2種類に分類されます。

監理団体の新規許可申請時には、特定監理団体として許可をもらうことになりますが、その後、法令違反がなく、技能実習生の技能実習評価試験等の合格率や指導・相談体制等について高い水準を満たすことにより、特定から一般への事業区分変更許可申請をし優良な監理団体であると認められると一般監理団体になることができます。一般監理団体は優良監理団体とも呼ばれます。

一般監理団体になると、下記のように特定監理団体より優遇されることになります。

一般監理団体
特定監理団体
  • 技能実習1号、2号、3号の受入れが可能。最長5年間。
  • 技能実習生の受入れ人数枠が通常の2倍。
  • 技能実習1号、2号の受入れが可能。最長3年間。


(※)技能実習3号を受入れる場合は、監理団体、実習実施者ともに優良要件を満たす必要があります。

目次

一般監理団体になる要件

一般監理団体になるには、一定の優良要件を満たし、下記の表で6割以上の点数(150点満点で90点以上)を獲得し、優良基準に適合する必要があります。

①実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制

監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率、監理責任者以外の監査に関与する職員の講習受講歴等、実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制の整備により、最大50点が加点されます。

項目配点
【最大50点】
監理団体が行う定期の監査について、その実施方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、監査を担当する職員に周知している こと・有→5点
監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率・1:5未満→ 15点
・1:10 未満→7点
直近過去3年以内の監理責任者以外の監理団体の職員(監査を担当する者に限る。)の講習受講歴・60%以上→10点
・50%以上60%未満→5点
実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員等に対し 、毎年 、研修の実施 、マニュアルの配布などの支援を行っていること・有→5点
帰国後の技能実習生のフォローアップ調査に協力すること 。・有→5点
技能実習生のあっせんに関し、監理団体の役職員が送出国での事前面接をしていること。・有→5点
帰国後の技能実習生に関し、送出機関と連携して、就職先の把握を行っていること。・有→5点

各項目の留意点

Ⅰ 定期監査時のマニュアル等の策定・周知

監査担当役職員が適正な定期監査を実施できるように、実施方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、周知することにより加点されます。

《マニュアル等策定の参考資料》
①監査報告書(省令(別記)様式第22号)の別紙資料となっている「監査実施概要」(参考様式第4-7号)
②労働関係法令の遵守については厚生労働省の以下のURLでチェックリストが公開されています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/gaikoku/dl/kannridantai.pdf

Ⅱ 監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率

監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率が1:5未満であるなど、その比率が低い場合に、実習監理を適正に行うことができる体制が整っているものとして加点されます。

《配点計算例》
実習監理を行う実習実施者 20 実習実施者÷ 監理事業に関与する常勤の役職員 6 名= 3.3 (小数点第2位以下切捨て)

Ⅲ 直近過去3年以内の監理責任者以外の監理団体の職員の講習受講歴

監理責任者以外の職員に対しては、監理責任者等講習の受講は義務付けられていませんが、監理責任者以外の職員についても、受講すると加点されます。

《配点計算例》
監理団体の職員(監理責任者を除く、監査担当者)の監理責任者等講習受講割合
講習受講者  名 ÷ 職員  名 × 100 =  60 %
※役員も監理団体の職員に含まれます。

「直近過去3年」とは、申請時を起点として遡った過去3年間のことです。

Ⅳ 実習実施者の技能実習責任者等に対し、研修の実施、マニュアルの配布などの支援

実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員等に対する、毎年の研修の実施、マニュアルの配布などの支援をすると加点されます。傘下の実習実施者の全てに対して支援を行うことが必要です。

Ⅴ 帰国後の技能実習生のフォローアップ調査に協力

フォローアップ調査への協力依頼が仮に届いた場合には、適切に協力することを約し、実際にフォローアップ調査への協力依頼があった場合には、実際に協力すると加点されます。対象となる技能実習生への調査表の配布を怠る等、協力をしていないことが明らかな場合には加点されません。

《フォローアップ調査とは?》
技能実習を修了して帰国した技能実習生に対して、帰国後の就職状況や職位の変化、日本で修得した技術・技能・知識の活用状況などに把握することにより、技能実習制度の適正・円滑な運用を図るための調査です。

Ⅵ 技能実習生のあっせんに関し、監理団体の役職員が送出国で事前面接の実施

役職員が送出国で事前面接を実施すると加点されます。全ての技能実習生のあっせんに際して事前面接を行う必要はありませんが、少なくとも年に1回は行っていることが必要です。

Ⅶ 帰国後技能実習生に関し、送出機関と連携して、就職先の把握を行う

送出機関と連携して、帰国後の技能実習生の就職先の把握を行っていると加点されます。全ての帰国後技能実習生に関して就職先を把握している必要はありませんが、少なくとも全ての送出機関と連携して就職先の把握の取組みを行っていることが必要です。

②技能等の修得等に係る実績

過去3技能実習事業年度の基礎級、3級、2級程度の技能検定等の合格率等で高い実績があれば、最大40点が加点されます。

「過去3技能実習事業年度」とは?
技能実習事業年度とは、監理団体の決算期にかかわらず、毎年4月1日に始まり翌年3月31日に終わる技能実習に関する事業年度のことをいいます。したがって過去3技能実習事業年度とは、今技能実習事業年度は含まず、前技能実習事業年度から遡って3技能実習事業年度ということになります。

項目配点
【最大40点 】
過去3技能実習事業年度の基礎級程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率・95%以上→ 10 点
・80%以上 95%未満→5点
・75%以上 80%未満→0点
・75%未満→-10 点
過去3技能実習事業年度の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率
*計算方法は実習実施者の①と同じ計算式の分母の算入対象となる技能実習生がいない場合の加点は行わない 。
・80%以上→20点
・70%以上80%未満→15点
・60%以上70%未満→10点
・50%以上60%未満→0点
・50%未満→-20 点
直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績・2以上の実習実施者から合格者を輩出→5点
・1の実習実施者から合格者を輩出→3点
技能検定等の実施への協力・1以上の実習実施者から協力有→5点

各項目の留意点

Ⅰ「過去3技能実習事業年度の基礎級程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率」

合格率は、下記のとおりに計算します。
 ・ 分子 : 合格者数
 ・ 分母 : 第1号技能実習修了者数-うちやむを得ない不受検者数

《計算例》
① 分母  計 48 名
第1号修了者 50 名 - やむを得ない不受検者  名 = 48 名
② 分子  計 48 名
③ 基礎級程度の学科試験及び実技試験の合格率
 ② 48 名 ÷ ① 48 名 × 100 = 100 %
 ※合格率の小数点以下は切り捨て。


過去3技能実習事業年度に申請年度は含まず、申請年度より前の3事業年度を指します。
 例:令和5年(2023年)4月に申請する場合
   令和4年(2022年)度、令和3年(2021年)度、令和2年(2020年)度)が3事業年度になります。

直近3技能実習事業年度の実績の総計でみるため、受検実績がない技能実習事業年度があっても差し支えありません。

修了者数は、当該技能実習事業年度中に第1号技能実習を修了した者を指します。

やむを得ない不受検者とは、本来対象となるが、監理団体の責めによらない理由での失踪、推奨される期間内に受検申請を行ったにもかかわらず実習期間中の技能検定等の受検予約ができなかった場合や技能実習生の事情による途中帰国などにより、不受検となった者をいい、不受検となった原因が監理団体の責任とはいえないものを指します。

なお、技能実習生自身が受検を辞退した場合や、一度不合格となり、再受検前に実習を終了した場合は、やむを得ない不受検者には当たりません。

Ⅱ「過去3技能実習事業年度の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率」

合格率は、下記のとおりに計算します。
 ・ 分子 : (3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2
 ・ 分母 : 第2号技能実習修了者数 + 第3号技能実習修了者数- うちやむを得ない不受検者数

《計算例》
① 分母 計  名(A+B)
A 第2号修了者 10 名 - やむを得ない不受検者  名 =  名
B 第3号修了者   名 - やむを得ない不受検者  名 =  名
② 分子 計  名(A+B)
A 3級程度  名
B 2級程度  名
③ 2級又は3級程度の合格率
(②A+②B×1.5(※1)=  名)×1.2(※2) ÷ ①  名 × 100 = 102 %
※合格率の小数点以下は切り捨て。

直近3技能実習事業年度の実績の総計でみるため、合格実績がない技能実習事業年度があっても差し支えありません。

(※1)「×1.5」→日本人受検者の3級合格率と2級合格率の差を踏まえて設定する調整指数。
(※1)「×1.2」→3級における日本人受検者の合格率と外国人受検者の合格率の差を踏まえて設定する調整指数。

修了者数は、当該技能実習事業年度中に第2号技能実習または第3号技能実習を修了した者を指します。

Ⅲ「直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績」

2級、3級で分けず合格人数を合計したものについて、下記のとおりに計算します。

《計算例》
① 2級または3級程度の学科試験の合格者  計   名
② 合格者を輩出した実習実施者   計  実習実施者

《技能実習生が一度技能検定等を不合格となった場合について》
技能実習生が一度技能検定等を不合格となり、再度同一の技能検定等を受検する場合などについては、1人の技能実習生が複数回受検することになるが、複数回受検した場合は、最終的な合否を合格率の計算において算入します。

Ⅳ「技能検定等の実施への協力」

例えば、下記のような場合が協力したものとして該当し加点されます。

① 技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技試験の問題の作成、採点、実施要領の作成や検定試験会場での指導監督などを職務として行う者)を社員等(退職したOB・OG も含む。)の中から輩出している場合
② 技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合
③ 技能検定等の実技試験の実施に必要とされる会場・機材・設備等の貸与等を行い、技能検定等の実施(自社以外の技能実習生の受検も含む。)へ協力している場合

上記のいずれも、申請時を起点として遡った1年間の実績が必要です。

③法令違反・問題の発生状況

直近過去3年以内の改善命令の実績、失踪の割合等により、大幅な減点になります。

項目配点
【最大5点 】
直近過去3年以内改善命令を受けたことがあること。・改善未実施→ -50点
・改善実施→ -30点
直近過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと。・ゼロ→5点
・10%未満又は1人以下→ 0点
・20%未満又は2人以下→-5点
・20%以上又は3人以上→-10点
直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること 。・該当→ -50点
直近過去3年以内に傘下の実習実施者に不正行為があること(監理団体が不正を発見して機構に報告した場合を除く 。)・計画認定取消し(実習監理する実習実施者の数に対する認定を取消された実習実施者の数の割合)
 15%以上→-10点
 10%以上15%未満→ -7点
 5%以上10%未満→ -5点
 0%を超え5%未満→ -3点
・改善命令(実習監理する実習実施者の数に対する改善命令を受けた実習実施者の数の割合)
 15%以上→ -5点
 10%以上15%未満→ -4点
 5%以上10%未満→ -3点
 0%を超え5%未満→ -2点

各項目の留意点

Ⅰ「直近過去3年以内に改善命令を受けたことがあること」

直近過去3年以内に改善命令を受けたことがあれば、大幅に減点されます。

「改善命令」とは、改善指導や改善勧告よりも悪質性が高い、技能実習法第36 条第1項に基づく法務大臣及び厚生労働大臣が行う命令のことであり、技能実習機構による実地検査等により改善指導や改善勧告を受けたことがあっても改善命令には該当しません。

Ⅱ 「直近過去3年以内における失踪がゼロまたは失踪の割合が低いこと」

失踪がゼロまたは失踪の割合が低いと加点されます。逆に、失踪が多く失踪の割合が高いと減点されます。

「直近過去3年以内における失踪がゼロまたは失踪の割合が低いこと」における失踪者とは、監理団体から技能実習機構に「行方不明」となった旨の技能実習実施困難時届出書が提出されたもの(同届出書の訂正を行った場合を含む。)を指します。

「10%未満又は1人以下」、「20%未満又は2人以下」、「20%以上又は3人以上」の区分については、一律に失踪の割合だけで評価した場合には小規模な監理団体では少数の失踪者が発生しただけでも大きな減点となってしまうことに配慮して失踪者数による評価を可能としたものです。失踪の割合よりも失踪者数により評価した方が申請者に有利な場合には失踪者数により評価を行います。

失踪率は、下記のとおりに計算します。
 ・ 分子 : 過去3年以内の失踪者数
 ・ 分母 : 過去3年以内において新たに受入れを開始した技能実習生の総数

《計算例》
失踪者 15 名 ÷ 受入れ 100 名 ×100= 15 %
※受入れ数は、過去3年以内において新たに受入れを開始した技能実習生の総数

Ⅲ 「直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること」

責めによるべき失踪を発生させたことのある者は、技能実習を適正に実施する能力が乏しいと考えられることから、大幅に減点されます。

責めによるべき失踪であるか否かは個別具体的な判断となります。
例えば、技能実習生に対して劣悪な環境下での業務を強制する、技能実習生に対する暴行等を図る等の事情により失踪が発生したと考えられる場合には、帰責性があると判断されます。

Ⅳ 「直近過去3年以内に傘下の実習実施者に不正行為があること」

傘下の実習実施者が不正行為を行った場合には、技能実習を適正に監理できていなかったと考えられるので、その割合に応じて減点されます。

不正行為率は、下記のとおりに計算します。
 ・ 分子 : 過去3年以内に技能実習計画の認定の取消しまたは改善命令を受けた傘下の実習実施者の数
 ・ 分母 : 過去3年以内において実習監理を行った実習実施者の総数

《計算例》
① 実習認定の取消しの割合
実習認定の取消し   機関÷ 対象事業年度内に実習監理を行った実習実施者  20 機関×100=  %(小数点第2位以下切捨て)
(実習認定の取消しのうち、監理団体が不正を発見して機構に報告した  件を除く)
② 改善命令  件(機関数)÷ 対象事業年度内に実習監理を行った実習実施者  20 機関×100=  %(小数点第2位以下切捨て)
(改善命令のうち、監理団体が不正を発見して機構に報告した  件を除く)

④相談・支援体制

他の機関で実習が困難となった技能実習生の受入れに協力する旨の登録を行っていること、他の機関で実習継続が困難となった技能実習生の受入実績、技能実習生の住環境の向上に向けた取組等により、最大45点が加点されます。

項目配点
【最大45点 】(※)
機構・監理団体が実施する母国語相談・支援の方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること・有→ 5点
技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。) に引き続き技能実習を行う機会を与えるための受入れに協力する旨の機構への登録を行っていること実習監理を行う実習実施者の数に対する登録した実習実施者の数の割合
 50%以上→ 15点
 50%未満→ 10点
直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る 。) に引き続き技能実習を行う機会を与えるために、当該技能実習生の受入れを行ったこと実習監理を行う実習実施者の数に対する受け入れた実習実施者の数の割合
 50%以上→ 25点
 50%未満→ 15点
技能実習生の住環境の向上に向けた取組
(ⅰ)入国後講習時の宿泊施設
(ⅱ)実習時の宿泊施設
・有 ⅰ→ 5 点/ⅱ→ 5 点
(※)ⅠからⅣまでの各欄の合計が 45 点を超える場合であっても、45 点として計上。

各項目の留意点

Ⅰ 「機構・監理団体が実施する母国語相談・支援の実施方法・手順を定めたマニュアル等を策定、関係職員に周知」

技能実習生から相談があった時に、技能実習機構や監理団体で実施している母国語相談の窓口を速やかに紹介するため、その手順をあらかじめ定めて関係職員に周知をしておくと加点されます。マニュアル等の内容は、その分量にかかわらず、技能実習生から相談を受けた時に適切に対応できるよう母国語相談・支援の実施方法や手順が具体的に記載されたものである必要があります。

なお、直近過去3年以内に監理団体が改善命令を受けた場合で、その理由が技能実習生からの相談に適切に応じなかったことまたは技能実習生への助言、指導その他の必要な措置を講じなかったことである場合は、マニュアルが関係職員に周知されているとは認められません。

Ⅱ 「技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるための受入れに協力する旨の機構への登録を行っていること。」

他の実習実施者の事業上・経営上の都合等やむを得ない事情により技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習の機会を与えるため、受入れに協力する旨の機構への登録を現に行っていると、実習監理を行う実習実施者のうち、登録した実習実施者の割合が5割以上であるなど、その割合により加点されます。

《やむを得ない事情とは?》
実習実施者の経営上・事業上の都合、実習認定の取消し、実習実施者における労使間の諸問題、実習実施者における暴行等の人権侵害行為や対人関係の諸問題等、現在の実習実施者の下で技能実習を続けさせることが、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護という趣旨に沿わないと認められる事情。

《受入れに協力する旨の機構への登録とは?》
他の監理団体(実習実施者)からの受け入れに協力する旨の意思を示す(ポータルサイトに募集情報を登録・掲載する)ことにより、実習生の円滑な実習先変更を支援する手続きです。
具体的には、実習先変更支援サイト(https://www.support.otit.go.jp/kanri/)で、監理団体が受け入れに協力する傘下実習実施者の募集情報を登録・掲載します。

Ⅲ 「直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために受入れを行ったこと」

他の監理団体傘下の実習実施者の事業上・経営上の都合等やむを得ない事情により、技能実習の継続が困難となった技能実習生を他の監理団体から引き受けて技能実習を行わせると加点されます。受け入れた技能実習生が1名いれば要件に適合します。なお、実習監理を行う実習実施者のうち、受け入れた実習実施者の割合が5割以上であるなど、その割合により加点されます。

Ⅳ 「技能実習生の住環境の向上に向けた取組」

入国後講習時と実習時の宿泊施設のについて、住環境の向上に向けた取組を行うと各5点ずつ加算されます。

(ⅰ)入国後講習時の宿泊施設

受け入れる全ての技能実習生に本人のみが利用する個室(4.5 ㎡以上)を確保し、監理責任者の責任の下、感染症予防対策を徹底(※)していること。
※ 毎日の検温(記録を含む。)、アルコール消毒液の設置、ダイニングにアクリル板やビニールカーテンの設置など。

(ⅱ)実習時の宿泊施設

実習実施者等に対し、次のいずれかの支援を行い、当該実習実施者が優良な実習実施者の要件の中「③技能実習生の待遇(Ⅲ技能実習生の住環境の向上に向けた取組)」の加点対象となった場合に限り、加点されます。

A 監理団体が確保している物件(本人のみが利用する個室の確保が必要)を技能実習生の実習中の宿泊施設として貸与している。
B 本人のみが利用する個室の確保ができる借上物件を探している実習実施者または技能実習生の相談に乗り、条件に見合う宿泊施設を紹介し、実際に借上げに至った。
C 技能実習生が自らの意思で住居を選び、自ら貸主と賃貸借契約を締結する場合に連帯保証人となるまたは家賃債務保証業者を確保する。

⑤地域社会との共生

実習実施者に対する日本語学習への支援、実習実施者が行う地域社会との交流を行う機会や日本文化を学ぶ機会の提供への支援をすることにより、最大10点が加点されます。

項目配点
【最大10点】
受け入れた技能実習生に対し 、日本語の学習の支援を行っている実習実施者を支援していること・有→ 4点
地域社会との交流を行う機会をアレンジしている実習実施者を支援していること・有→3点
日本の文化を学ぶ機会をアレンジしている実習実施者を支援していること・有→3点

各項目の留意点

Ⅰ 「受け入れた技能実習生に対し、日本語の学習の支援を行っている実習実施者を支援していること」

① 実習実施者が実施する日本語講習の教材を用意すること
② 日本語教育を実施する実習実施者へ外部講師を手配すること
③ 日本語学校へ通学する際の金銭的支援をすること

上記のような事由が該当します。単に日本語学校の紹介をすること、日本語のみの時間を実習中に設定すること、職員との日常会話の機会を増やすことといった対応のみでは、日本語の教育の支援を行っているとはいえません。

Ⅱ 「地域社会との交流を行う機会をアレンジしている実習実施者を支援していること」

① 地域祭りを実習実施者と共同で企画して技能実習生を参加させること
② 実習実施者と共同してボランティア活動に技能実習生を参加(ゴミ拾い、老人ホーム訪問など)させること
③ 実習実施者と共同して町内会に技能実習生を参加させること
④ 実習実施者と共同で国際交流イベントを実施して技能実習生を参加させること

上記のような事由が該当します。一般人向け(日本人向け)のイベントを単に周知するといった対応のみでは、地域社会との交流を行う機会をアレンジしたとはいえません。

Ⅲ 「日本の文化を学ぶ機会をアレンジしている実習実施者を支援していること」

① 実習実施者と共同で季節ごとのイベントを実施(正月、花見、月見等)すること
② 実習実施者と共同で文化講習を実施(実施者の施設内もしくは実施者の主導による茶道体験、折り紙、着付け、和食作り等)すること
③ 外部の文化講習等を受講する際の金銭的支援をすること
④ 実習実施者と共同で社会科見学(博物館・美術館・寺院等の見学)を実施すること

上記のような事由が該当します。技能実習生と日本食を単に食べに行く、一般人(日本人向け)向けのイベントを単に周知するといった対応のみでは、日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていたとはいえません。

申請方法

一般監理団体になるために必要な優良要件を満たしていることを確認し、優良要件適合申告書を作成し、下記の書類と合わせて事業区分の変更許可申請を行います。

審査には、通常3~4か月程度の時間がかかります。申請書類や添付書類に不備などがあれば、それ以上の時間がかかることもあります

スクロールできます
必要な書類備考
1事業区分変更(事業区分変更許可申請書及び許可証書換申請書)の提出書類一覧一覧・確認表

2事業区分変更許可申請書及び許可証書換申請書別記様式第16号
3監理事業計画書別記様式第12号
4直近の事業年度に係る財務諸表(損益計算書・貸借対照表)
5預金通帳の写し等の現金・預金の額を証する書類・預金通帳の①表紙、②団体名・口座番号・口座種別(普通・当座)・金融機関名・支店名等が分かるページ、③取引内容が分かるページ(直近3か月分)を提出。
・事業所の賃料支払い等を伺う場合あり。
・監理団体の適正な運営や不審な取引がないかを確認するため、黒塗りなどのマスキングは施さない。
・監理責任者への給与等支払い確認のため、直近3ヶ月以上の給与等明細または賃金台帳を添付。
6申請者の誓約書参考様式第2-2号
7監理責任者の就任承諾書及び誓約書の写し参考様式第2-5号
8健康保険等の被保険者証の写し
(監理責任者の常勤性が分かるもの)
健康保険等の被保険者証の写し及び健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写しなど
※健康保険の被保険者証の写しは「記号・番号・保険者番号」をマスキングをして見えないようにして提出
・監理責任者が役員の場合、直近3ヶ月以上の出勤簿等勤務状況が分かる資料も添付。
9監理責任者等講習の受講証明書の写し・全員分提出
・過去3年以内に受講したものを提出
10外部監査人(または指定外部役員)の就任承諾書及び誓約書の写し参考様式2-7号又は2-8号
11外部監査人及び指定外部役員の講習の受講証明書の写し過去3年以内に受講したものを提出
12協定を締結している送出機関の一覧送出機関の「名称」「国名」「住所」「代表者名」が分かるもの(任意様式)
13監理団体の許可に関する外国の送出機関の誓約書参考様式第2-11号
※外国政府認定送出機関ではない場合に提出が必要
14外国の送出機関の推薦状参考様式第2-12号
※外国政府認定送出機関ではない場合に提出が必要
15外国の送出機関が徴収する費用明細書参考様式第2-10号
※外国政府認定送出機関ではない場合に提出が必要
16優良要件適合申告書(監理団体)参考様式第2-14号
17講習受講者名簿参考様式第2-14号 別紙1
18受検技能実習生名簿参考様式第2-14号 別紙2
19やむを得ない不受検者名簿参考様式第2-14号 別紙3
20実習先変更による受入れ技能実習生名簿参考様式第2-14号 別紙4
対象が複数人いる場合は提出が必要
21実習先変更支援ポータルサイトへ登録した実習実施者の登録画面の写し
22入国後講習時の宿泊施設に係る平面図、賃貸借契約書及び個室の写真優良要件適合申告書(監理団体)記4Ⅳ①を加点対象とする場合に提出が必要
23実習時の宿泊施設について監理団体が確保している物件(実習生のみが利用する個室があるものに限る)を実習中の実習生に貸与した際の賃貸借契約書、平面図優良要件適合申告書(監理団体)記4Ⅳ②Aを加点対象とする場合に提出が必要
24実習時の宿泊施設について、実習生又は実習実施者からの相談に乗り、条件に見合う宿泊施設を紹介(実際に借り上げに至った場合に限る)した際の相談記録、当該物件の平面図及び賃貸借契約書優良要件適合申告書(監理団体)記4Ⅳ②Bを加点対象とする場合に提出が必要
25実習生が自らの意思で住居を選び自ら賃貸借契約を結んだ際の連帯保証人又は家賃債務保証業者が確認できる賃貸借契約書優良要件適合申告書(監理団体)記4Ⅳ②Cを加点対象とする場合に提出が必要

申請に必要な書類の様式はこちら

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この記事を書いた人

三木 秋穂のアバター 三木 秋穂 特定行政書士・申請取次行政書士

淡路島の走る行政書士/Luật Sư Hành Chính/行政書士事務所8年経営/日本で頑張る特定技能外国人サポート+技能実習/車と農地と建設業の手続きもやります/愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」応援団/山登りと長渕剛の歌と神社巡りが好きです/ベトナム料理を食べ歩いています
▷1972年(昭和47年)9月21日生まれ
▷兵庫県行政書士会所属
▷兵庫県行政書士会申請取次行政書士管理委員会副委員長
▷兵庫県行政書士会淡路支部理事

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