在留資格を不正に取得するとどうなる?

虚偽の事実を在留資格申請書類に記入するなど、在留資格を不正に取得した場合は、在留資格等不正取得罪が成立し、報酬を得る目的で手助けをした行政書士や弁護士や受入企業の職員などには、営利目的在留資格等不正取得助長罪が成立します。

目次

在留資格等不正取得罪(法70条1項2号の2)

偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて日本に上陸したり、在留資格の変更許可を受けたり、在留期間の更新許可を受けた場合は、3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金に処され、またはその懲役もしくは禁錮および罰金が併科されます。

《偽りその他不正の手段とは?》
▷故意に申請書類に客観的事実に整合しない事柄を記載する
▷申請に不利益な事実を隠すことによって許可を得た
 具体例:偽装結婚による在留資格の不正取得
▷虚偽の内容の文書を提出する
 具体例:就労ビザを申請時の事業計画書や雇用理由書等が、事実ではないことを記載して提出

第70条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
1 (省略)
2 (省略)
2の2 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者

営利目的在留資格不正取得助長罪(法第74条の6)

営利目的で在留資格等の不正取得を手助けした場合は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処され、またはこれらが併科されます。

この営利目的在留資格不正取得助長罪は、金銭を受け取る等の営利目的で不正な手段で在留資格等を取得しようとする外国人を手助けした人に対しての罰則です。

虚偽申請をした外国人本人だけでなく、申請を取次いだ行政書士、弁護士、受入企業の職員などにも責任がおよぶ可能性がありますので、取次者として在留資格諸申請を行う場合には、虚偽申請や虚偽の証拠提出等に加担しないよう、細心の注意を払う必要があります。

《営利目的在留資格等不正取得助長罪の該当例》
行政書士が、実際の業務内容は飲食店での単純業務にも関わらず翻訳業務に従事していると虚偽の書類を作成した場合。

第74条の6 営利の目的で第70条第1項第1号若しくは第2号に規定する行為(以下「不法入国等」という。)又は同項第2号の2に規定する行為の実行を容易にした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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この記事を書いた人

三木 秋穂のアバター 三木 秋穂 特定行政書士・申請取次行政書士

淡路島の走る行政書士/Luật Sư Hành Chính/行政書士事務所8年経営/日本で頑張る特定技能外国人サポート+技能実習/車と農地と建設業の手続きもやります/愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」応援団/山登りと長渕剛の歌と神社巡りが好きです/ベトナム料理を食べ歩いています
▷1972年(昭和47年)9月21日生まれ
▷兵庫県行政書士会所属
▷兵庫県行政書士会申請取次行政書士管理委員会副委員長
▷兵庫県行政書士会淡路支部理事

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