登録支援機関と申請取次

行政書士でない人が、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類作成を業務として行うことは、法律で禁じられています。

※違反者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

目次

行政書士の業務

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者です。企業や個人から依頼を受け報酬を得て、官公署(各省庁、都道府県庁、市役所等)に提出する書類や遺産分割協議書、各種契約書、内容証明等の権利義務に関する書類や実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、各種議事録等の事実証明に関する書類を作成し、これらの書類の提出手続代理や相談業務も行います。

※他の法律で制限されているものについては、業務を行うことはできません。

また、地方出入国在留管理局長へ届出た者は、申請取次行政書士として出入国管理及び難民認定法に規定する申請に関し、申請書類等の提出を行います。


官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類の作成については、行政書士の独占業務 (行政書士法第1条の2)とされ、行政書士でない人が報酬を得て業として作成することはできません(行政書士法第19条第1項)。法律に反し業として書類を作成した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(行政書士法第21条)。

[行政書士法抜粋]
第1条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、電磁的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

第19条の1 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 行政書士となる資格を有しない者で、日本行政書士会連合会に対し、その資格につき虚偽の申請をして行政書士名簿に登録させたもの
第19条第1項の規程に違反した者

「報酬を得て」とは、書類作成自体と逐一の「対価」関係がある場合だけでなく、ある者の行う業務全体として得た報酬の全部または一部について書類作成の「対価」とみなしうる場合も含まれます。

登録支援機関は書類の作成ができません

地方出入国在留管理局長へ申請等取次の申出を行い承認されると、登録支援機関の職員も在留資格「特定技能」についての在留諸申請の取次ができます。

登録支援機関の職員の取次は、特定技能所属機関(受入企業)との間で1号特定技能外国人支援計画の全部の実施の委託契約に基づき支援を行う場合のみできます。

書類の作成はできません

行政書士法第1条の2により、他人の依頼を受け報酬を得て官公署に提出する書類の作成は、行政書士の独占業務とされているため、登録支援機関の職員が特定技能の在留諸申請書類を作成することはできません。登録支援機関の職員ができるのは、単に申請書類を提出する事実行為である「取次」のみです。

また、法第1条の2に「他人の依頼を受け報酬を得て」と記載がありますので、報酬を得なければ書類の作成ができるのではと考えるかもしれませんが、形式的に申請書類作成自体を無償とし、申請書類の作成と密接関連する他の役務提供を有償とすることで、実質的に書類の作成を有償で行ったと同視できる場合も刑事罰の対象となります。例えば、登録支援機関の職員が、特定技能の在留諸申請の申請書類の作成を無償で行ったとしても、申請取次を有償で行うと刑事罰の対象となります。

上記の内容については、出入国在留管理庁の在留資格「特定技能」についてのホームページ上で申請に当たっての留意事項として記載されています。

弁護士及び行政書士以外の者が、在留諸申請の書類を含む官公署に提出する申請書等の書類の作成を報酬を得て業として行うことは、行政書士法違反に当たるおそれがあるので留意願います。

在留申請オンラインシステムを利用して申請を行う場合の留意事項もホームページ上に記載されています。

弁護士及び行政書士以外の方が、業として、申請人又はその法定代理人などから手数料を得るなどして自ら在留申請オンラインシステムに申請情報を入力した場合、弁護士法違反又は行政書士法違反となることがありますので留意願います。弁護士及び行政書士以外の利用者が、オンラインシステムを利用する場合は、申請人や所属機関の職員と一緒に申請内容を入力するなど法違反とならないよう十分留意願います。

特定技能外国人を受入れ後に受入企業に義務付けられている届出についての留意事項もホームページ上に記載されています。

定期届出書の記載方法と留意点
特定技能所属機関に届出義務のある届出書等については、特定技能所属機関の役職員の方が作成する必要があります(官公署に提出する書類等の作成を行政書士又は弁護士の方以外に依頼することは、行政書士又は弁護士法に違反し、認められません。)。
登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託している場合であっても、登録支援機関(行政書士又は弁護士の方を除く。)が作成することは認められません。
電子届出においても、登録支援機関が特定技能外国人所属機関の代わりに届出を行うことは認められません。

建設分野で特定技能外国人を受入れるために必要な「建設特定技能受入計画」の申請についての留意事項もホームページ上に記載されています。

Q.建設特定技能受入計画のオンライン申請は受入企業以外の者が行ってもよいですか?
A.本人が作成する場合を除き、官公署に提出する書類の作成を業務として行うことは、弁護士(法人)・行政書士(法人)を除き、法律で禁じられています。このため、本申請手続の代理については、弁護士(法人)又は行政書士(法人)に限ります。ただし、その際も初めの利用者仮登録は必ず受入企業のメールアドレスから登録し、ID・パスワードは受入企業が把握できる状態にしておいてください。
(よくあるご質問_制度全般について_4-3に記載)

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この記事を書いた人

三木 秋穂のアバター 三木 秋穂 特定行政書士・申請取次行政書士

淡路島の走る行政書士/Luật Sư Hành Chính/行政書士事務所8年経営/日本で頑張る特定技能外国人サポート+技能実習/車と農地と建設業の手続きもやります/愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」応援団/山登りと長渕剛の歌と神社巡りが好きです/ベトナム料理を食べ歩いています
▷1972年(昭和47年)9月21日生まれ
▷兵庫県行政書士会所属
▷兵庫県行政書士会申請取次行政書士管理委員会副委員長
▷兵庫県行政書士会淡路支部理事

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