050-5235-9002
徹底比較!特定技能1号と2号
在留資格「特定技能」は、建設、農業、飲食料品製造業、外食業等、人材の確保が困難な産業分野の人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人を労働者として受入れるため、2019年4月に創設されました。
この在留資格「特定技能」には、「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。
「特定技能1号」は、相当程度の知識または経験を必要とする技能が必要な業務に従事する人向けの在留資格で、令和5年6月末現在(速報値)の在留者数は173,089人となっています。
「特定技能2号」は、熟練した技能が必要な業務に従事する人向けの在留資格で、令和5年6月末現在(速報値)の在留者数は12人となっています。
この記事では、特定技能1号と2号の違いについて詳しく解説しています。
特定技能1号と2号のポイントチェック
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
在留期間 | 通算で上限5年まで(1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新) | 上限なし(3年、1年または6か月ごとの更新) |
産業分野 | 12分野(介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業) | 介護分野以外は受入れ可 |
技能水準 | 試験等で確認 (技能実習2号修了者は試験免除) | 試験等で確認 |
日本語能力水準 | 試験等で確認 (技能実習2号修了者は試験免除) | 試験等での確認は不要 |
家族の帯同 | 基本的に不可能 | 要件を満たせば可能(配偶者、子) |
支援 | 受入れ企業または登録支援機関 による支援が必要 | 支援は不要 |
在留期間
特定技能1号
「特定技能1号」での在留期間は、通算で上限5年までと設定されています。
▷「通算」とは、特定産業分野を問わず、「特定技能1号」で在留した期間をいい、過去に在留していた期間も含まれます。
▷次の場合は、通算在留期間に含まれます。
・失業中、転職活動期間、育児休暇、産前産後休暇等による休暇期間
・労災による休暇期間
・再入国許可(みなし再入国許可)による出国による出国期間
・「特定技能1号」の在留資格を持っている人が行った在留期間更新許可申請または転職のための在留資格変更許可申請中の特例期間
・「特定技能1号」への移行準備のための在留資格「特定活動」で在留していた期間
特定技能2号
「特定技能2号」の在留期間には、上限がありません。
更新回数に上限がないため、要件さえ満たせば何度でも更新でき、永住申請も可能となります。
産業分野
人材の確保が困難な産業分野は、介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野で、このうち、「特定技能2号」は介護分野以外は受入れが可能です。
技能水準
特定技能1号
「特定技能1号」の技能水準は、特定産業分野の業務区分に対応する試験等で確認します。
なお、「技能実習2号」を良好に修了しており、「特定技能1号」で従事する業務と「技能実習2号」の職種・作業に関連性が認められる場合は、試験等による証明は不要です。
特定技能2号
「特定技能2号」の技能水準は、従事しようとする業務に必要な「熟練した技能」を持っていることを試験と実務経験で確認します。
「熟練した技能」とは、長年の実務経験等により身につけた熟達した高い専門性・技能を要する技能のことをいいます。例えば自らの判断で高度に専門的・技術的な業務を遂行できる、または監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる技能のことをいいます。
「特定技能2号」は、「特定技能1号」よりも高い技能を持つ人に与えられる在留資格ですが 、技能を持っているかの判断は、あくまで試験の合格と実務経験によって行われます。
▷「特定技能1号」を経ても、自動的に「特定技能2号」には移行できません。
▷試験の合格等により「特定技能2号」で定める技能を持っていると認められれば、「特定技能1号」を経なくても「特定技能2号」へ移行できます。
日本語能力水準
特定技能1号
「特定技能1号」の日本語能力水準は、ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力と、従事する業務に必要な能力を持っていることが求められます。
日本語能力は、下記の日本語能力試験試験・国際交流基金日本語基礎テストのいずれかを受験し、日本語能力試験でN4以上、国際交流基金日本語基礎テストでA2以上のレベルに達すると、日本語能力水準を満たすことになります。
なお、「技能実習2号」を良好に修了していると、原則として、修了した技能実習の職種・作業の種類にかかわらず、日本語能力を持っているものと認められ試験は免除されます。
介護分野について
介護分野で従事するには、介護日本語評価試験の合格が必要になります。この試験は、介護職種の「技能実習2号」を良好に修了した人は試験が免除されますが、介護職種以外の「技能実習2号」を良好に修了した人は、日本語能力試験・国際交流基金日本語基礎テストの試験は免除されますが、介護日本語評価試験の試験は免除されません。
介護職種の技能実習2号 を良好に修了 | 介護職種以外の技能実習2号 を良好に修了 | |
---|---|---|
介護日本語評価試験 | 免除 | 試験合格が必要 |
国際交流基金日本語基礎テスト・日本語能力試験 | 免除 | 免除 |
特定技能2号
「特定技能2号」の日本語能力水準については、試験等での確認は不要です。
家族の帯同
特定技能1号
「特定技能1号」では、配偶者と子を日本に呼び寄せることは基本的には認められません。
特定技能2号
「特定技能2号」では、要件を満たせば、配偶者と子を日本に呼び寄せることが可能です。
支援
特定技能1号
「特定技能1号」では、特定技能所属機関(特定技能外国人を受入れる企業)は、外国人が「特定技能」の在留資格に基づく活動を安定的かつ円滑に行えるように生活上の支援を自社で実施するか、登録支援機関に委託して実施しなければなりません。
特定技能2号
「特定技能2号」では、外国人を支援する必要はありません。