2023年8月31日付で、「特定技能1号」の特定産業12分野のうち、介護分野以外の全ての分野で「特定技能2号」の受入れが可能となりました。
この記事では、「特定技能2号」について、1号との違いや2号だけに求められる要件等についてQ&A方式で解説しています。
※この記事は、下記の資料をもとに作成しています。
目次
制度全般
- 「特定技能2号」とは、どのような在留資格ですか?
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「特定技能2号」は、熟練した技能を持つ外国人のための在留資格であり、「特定技能1号」より高い技能を持つことが必要です。熟練した技能水準を持っていることは、試験と実務経験により確認されます。
- 「特定技能1号」を経れば、自動的に「特定技能2号」に移行できますか?
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「特定技能1号」で通算の在留期間の上限5年間働いたとしても、「特定技能2号」の試験に合格しないと移行できません。
- 「特定技能1号」を経なくても、「特定技能2号」の在留資格を取得することができますか?
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産業分野ごとに定められた試験に合格して実務経験の要件を満たせば、「特定技能1号」の途中でも「特定技能2号」に移行できます。
- 「特定技能 2 号」でも、各種届出や定期面談は必要ですか?
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「特定技能 2 号」の外国人は、受入れ機関または登録支援機関による支援の実施が不要なため、定期面談と定期の「支援実施状況に係る届出」の提出は不要です。一方で、定期の「受入れ活動状況に係る届出」と随時の各種届出は、「特定技能 1 号」の場合と同様に必要です。
- 「特定技能 2 号」は、「特定技能 1 号」のような通算の在留期間の上限が設けられていませんが、実質的に永住者と同じということですか?
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「特定技能 2 号」は、専門的・技術的分野の在留資格の「技術・人文知識・国際業務」等と同様、一定期間ごとに在留期間の更新が必要であり、退職等で「特定技能 2 号」の活動を終了した場合は更新が認められません。この点、在留期間の更新の必要がなく、活動内容に制限のない永住者とは異なります。
分野別
ビルクリーニング
- 「特定技能2号」に必要な2年以上の実務経験は、技能実習期間(5年間)は対象外ですか?
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ビルクリーニング職種(ビルクリーニング作業)に基づく技能実習計画審査基準での必須作業・関連作業・周辺作業には、「特定技能2号」移行に必要な指導管理業務が含まれておりませんので、技能実習の期間は実務経験と見なすことができません。
- 技能実習期間5年は実務経験に入らないとのことですが、技能検定1級を受検したい場合は、「特定技能1号」または「特定技能2号」の経験年数が必要ということでしょうか?
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技能検定1級の受検資格としては、実習期間の清掃の実務経験も対象になります。ただし、マネジメントの実務経験は実習期間では得られないので、「特定技能1号」か他の在留資格で経験する必要があります。
- 「特定技能2号」受験資格は、マネジメントを2年以上との事ですが、現在、「特定技能1号」として4年目以上の方は2号の受験資格は得られないのでしょうか?
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2023年6月9日の運用要領改正の時点で、ビルクリーニング分野の1号特定技能外国人として日本に在留する者は、同日以前の期間に関しては、建築物(住宅を除く。)内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する者として就労していたかに関わらず、当該者に該当していたものとして取り扱う経過措置があります。
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 「日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における 3 年以上の実務経験」とは、具体的にどのような経験のことですか?
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「日本国内に拠点を持つ企業」とは、日本国内に登記している本店または主たる事務所等がある企業をいいます。また、「製造業の現場における実務経験」とは、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、大分類 E-製造業(ただし、「中分類 09-食料品製造業」及び「中分類 10-飲料・たばこ・飼料製造業」を除く。)に掲げるものを行っている事業所で、製造品の加工等に従事した経験を指します。
- 「特定技能 1 号」の対象になっていない製造業(輸送用機械器具製造業、プラスチック製品製造業など)での従事経験も実務経験として認められますか?
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輸送用機械器具製造業やプラスチック製品製造業など、「特定技能 1 号」の対象になっていない製造業での経験も、「製造業の現場における実務経験」に含まれます。
- 飲食料品製造業での従事経験も実務経験の対象になりますか。
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飲食料品製造業での経験は、「製造業の現場における実務経験」には含まれません。
- 技能実習生としての従事経験も実務経験として認められますか?
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技能実習生として「日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場」に従事していた期間も、実務経験に含まれます。
- 「特定技能 1 号」で従事している業務区分と「特定技能 2 号」で従事したい業務区分が違う場合でも、「特定技能 1 号」での従事経験は実務経験として認められますか?
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”製造業”の現場での実務経験が 3 年以上あれば要件を満たします。
- 同一企業での実務経験が 3 年以上ではなく、複数企業での実務経験を合算すると 3 年以上となる場合でも認められますか?
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必ずしも同一企業である必要はありません。複数企業で業務に従事している場合でも、製造業の現場での実務経験が合算して 3 年以上あれば要件を満たします。
- 技能実習 1 号修了後に「特定技能 1 号」に移行した場合で、技能実習 1 号と「特定技能 1 号」で業種が異なる場合でも、両方の従事経験を合算して 3 年以上となる場合には認められますか?
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違う業種に転職したとしても、両方とも製造業である場合には、両方の実務経験を合算して 3 年以上あれば要件を満たします。
- 3 年間の「就労」ではなく、「在籍」(休職期間や帰国期間を含める)でも認められますか?
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業務に従事していない期間がある場合には、その期間を除いた上で、就業していた期間が 3年以上必要となります。
建設
- 「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験」を証明する書類について、指定の様式はありますか?
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「(分野参考様式第6-3号)2号特定技能外国人に求められる実務経験に係る申告書・経歴証明書(別紙)」を提出してください。https://www.moj.go.jp/isa/content/930004487.pdf
ただし、2号特定技能外国人の業務区分に対応する建設キャリアアップシステムの能力評価基準のある職種の能力評価でレベル3を取得している場合には、「能力評価(レベル判定)結果通知書」の写しを提出すれば、上記の実務経験を有することを証する書類は不要です。
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