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日本で長く働き続けたい1号特定技能外国人にとって、「特定技能2号」の在留資格取得は、キャリアの大きなステップアップであり、必須の条件となります。この在留資格を取得するためには、一定の実務経験を積み、技能試験に合格することが求められます。
また、企業にとっても、高く評価している1号特定技能外国人を、2号特定技能外国人として継続的に雇用することには大きなメリットがあります。熟練した人材を確保し、企業全体の活性化や競争力の向上に繋がるだけでなく、社員のさらなる成長も期待できます。
この記事では、2号技能試験の内容、2号特定技能外国人の具体的な仕事内容、そして彼らをどのように効果的に雇用するかについて詳しく解説しています。
試験合格と実務経験
技能試験の合格
2号特定技能外国人として飲食料品製造の仕事をするためには、「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」に合格する必要があります。
試験概要
受験言語 | 日本語(漢字にルビは付いていません。) |
受験資格 | ▷試験の日に、在留資格を有する人 ▷試験の日に、満17歳以上の人 ▷有効なパスポートを持っていること ▷試験の前日までに飲食料品製造業分野で複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程 を管理する者としての実務経験(以下「管理等実務経験」という)を2年以上有すること。または、試験の前日までに管理等実務経験が2年に満たない者は、試験の日から6ヶ月以内に管理等実務経験を2年以上有することが見込こまれること |
実施方法 | ペーパーテスト方式(マークシート) |
問題数 | 学科試験: 35問・125点 実技試験: 15問・75点 |
試験時間 | 70分 |
受験料 | 15,000円(税込) |
合否の基準 | 満点(200点)の65%以上 |
試験日程
申込み方法
試験申込は、当面、2号特定技能外国人を雇用しようとする企業からしか申込できません。外国人本人からの申込はできません。(2024年2月時点)
試験申込から受験までの流れは、下記のとおりです。
1. 仮登録は、下記の「企業用マイページ 仮登録フォーム」から行います。
2.本登録は、下記の「企業用マイページ」から行います。
「企業マイページ」から受験者登録を行います。
※特定技能2号試験の受験者登録には、「指導等実務経験証明書」または「指導等実務経験に係る誓約書」の 提出が必須です。
「企業用マイページ」内の試験申込・受験状況タブから申込をします。
受験者が受験申請企業からの受験申請により受験することに同意し、受験料を支払います。
受験者の受験票は企業マイページにアップされるので、企業担当者が受験票をダウンロードして、企業から受験者に渡します。
試験当日、受験者が必要書類を忘れたり、在留資格があることが受付で確認できない場合は、試験を受けることができません。
試験テキスト
試験学習用のテキストは、株式会社日本能率協会コンサルティングのホームページからダウンロードできます。
試験のサンプル問題は、公表されていません。
試験結果
合格発表は、OTAFFのホームページに公表されたスケジュールで行われます。ホームページ上に合格者の受験番号が公表され、企業マイページで受験者ごとの合否が表示されます。
受験者登録時点で、指導等実務経験証明書を提出し不備が無かった受験者には、合否発表と同時に合格証書が企業マイページにアップされます。
実務経験
2号特定技能外国人として飲食料品製造の仕事をするためには、製造現場で複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験が必要になります。
▷「複数の従業員を指導しながら作業に従事し」とは、2名以上の技能実習生、アルバイト従業員及び特定技能外国人等を指し、指導・監督を受ける者は日本人を含み、国籍は問いません。また、指導・監督を行う技能実習生、アルバイト従業員及び特定技能外国人等は必ずしも同一人物でなくてもよく、また職場の状況やシフトの都合等により一部の期間または時間に、2人以上の指導・監督を行わない期間または時間があっても問題ありません。この場合の「指導する」とは、作業員に対し直接または間接的に作業工程等について主導することを想定し、「工程を管理する者」とは、飲食料品製造業分野の対象業種や工場等の規模にもよりますが、事業所責任者(工場長等)が行う飲食料品製造業全般に関する管理業務を補助するものとし、例えば、担当部門長、ライン長、班長等のような役職が想定されます。
▷実務経験を客観的に証明するものとして、1号特定技能外国人を「工程を管理する者」として従事させる際は、客観的に証明する書類、例えば辞令や職務命令書等を出し、上記に例示した役職を命じ、業務に従事させるようにします。
▷国外での管理者相当の実務経験も対象となります。ただし、先国で管理者相当の実務経験を行った旨の証明書を提出する必要があります
▷技能実習時の期間の経験は、店舗管理補助者としての実務経験には含まれません。
▷留学生の期間にアルバイトとして積んだ経験は、店舗管理補助者としての実務経験には含まれません。
業務内容
2号特定技能外国人には、試験で立証された能力を生かし、また複数の作業員を指導しながら自らも作業に関わり、トータルで管理できる能力が必要とされます。そのため、例えば管理業務を中心に行いながら製造・加工、安全衛生の確保に関する作業に従事させることも問題ありません。
主たる業務
飲⾷料品製造業全般(飲⾷料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛⽣の確保)
「飲食料品(酒類を除く)の製造・加工」とは、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の⼀連の⽣産⾏為等をいい、単なる選別、包装(梱包)の作業は製造・加工にはあたりません。
また、「安全衛生の確保」とは、使用する機械に係る安全確認、作業者の衛生管理等、業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務をいいます。
2号特定技能外国人は、上記の製造・加工、安全衛生の確保に加え、これらに関する管理業務(衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理等)に従事させる必要があります。
なお、2号特定技能外国人は、事業所責任者(工場長等)が行う管理業務を補助することを前提に雇用することになるので、役職等を命じ、業務に従事させる必要があります。
【⼈材のイメージ】
○飲食料品の製造工程でHACCPに沿った衛⽣管理ができる⼈材
・主な食中毒菌や異物混入に関する基本的な知識・技能
・食品等を衛⽣的に取り扱う基本的な知識・技能
・施設設備の整備と衛⽣管理に関する基本的な知識・技能
従事する主な業務
以下を含む飲食料品製造業全般に関する管理業務。具体的には衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理など。
・生産に関わる一連の作業(原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥など)
・業務上の安全衛生と食品衛生を守るための業務(業務で使う機械の安全確認、作業者の衛生管理など)
関連業務
当該業務に従事する日本人が通常従事する関連業務に付随的に従事させることは問題ありませんが、専ら関連業務に従事させることは認められません。
総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る。)及び食料品スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る。)に該当する事業所では、関連業務としても販売業務に従事させることはできません。
受入れ企業の条件
特定技能外国人を受入れることができる事業所は、日本標準産業分類に掲げる産業のうち主として下記のいずれかに掲げるものを行っている必要があります。
① 中分類09-食料品製造業
② 小分類101-清涼飲料製造業
③ 小分類103-茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
④ 小分類104-製氷業
⑤ 細分類5621-総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る。)
⑥ 細分類5811-食料品スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る。)
⑦ 細分類5861-菓子小売業(製造小売)
⑧ 細分類5863-パン小売業(製造小売)
⑨ 細分類5896-豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る。)
なお、飲食料品製造業には、酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、飲食料品卸売業、各種商品小売業(上記⑤を除く)、飲食料品小売業(上記⑥~⑨を除く)、ペットフード等の飼料製造業などは含まれません。
事業所の定義は、日本標準産業分類に従い、その経済活動に下記の2つの要件が備わっているものをいいます。
(1) 単一の経営主体により、一区画を占めて行われていること。
(2) その区画で、人及び設備を有して継続的に行われていること。
また、特定技能外国人を受入れるためには、企業に次の8つ条件が課されます。
1.「食品産業特定技能協議会」の構成員になること
2.協議会に対し、必要な協力を行うこと
3. 農林水産省またはその委託を受けた者が行う調査等に対し、必要な協力を行うこと
4.登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、協議会の構成員となっており、かつ、農林水産省及び協議会に対して必要な協力を行う登録支援機関に委託すること
5.特定技能外国人に対するキャリアアッププランのイメージをあらかじめ設定し、雇用契約を締結する前に書面を交付して説明すること
6.特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付、または電磁的記録を提供すること
在留資格申請
実務経験を証明し試験に合格すれば、企業と外国人が雇用契約を締結し、必要書類を揃え、出入国在留管理局へ在留資格申請を行います。
弁護士及び行政書士以外の者が、在留資格変更許可申請書を含む官公署に提出する申請書等の書類の作成を報酬を得て業として行うことは、行政書士法違反に当たり認められません。
特定技能2号のポイント
雇用期間
2号特定技能外国人の雇用期間に制限はありません。
「特定技能2号」では、3年、1年、6月のいずれかの在留期間が付与され、その都度、更新手続きが必要となりますが、更新回数の制限はありません。
家族の帯同
2号特定技能外国人は、要件を満たせば、配偶者と子の帯同が可能です。
《家族の在留資格と家族ができる就労》
帯同する家族は、2号特定技能外国人の扶養を受ける配偶者または子として「家族滞在」の在留資格を取得し、日本で滞在することになります。
「家族滞在」の在留資格では、原則として就労は認められていませんが、「資格外活動許可」を得ている場合に限り、週28時間以内のアルバイトが可能です。
《受入れ企業のサポートや対応》
2号特定技能外国人が家族を帯同する場合、受入れ企業には以下のようなサポートや対応が求められます。
・家族が一緒に住める住居確保へのサポート
・就学児童等が居れば、通学できる学校や教育機関の確認
・子供や家族が安心できる病院等の確認
・公的手続き等へのサポート
・その他生活に必要な契約等のサポート
支援の有無
「特定技能2号」は、受入れ企業または登録支援機関の支援は不要となり、登録支援機関の関与はなくなります。
特定技能2号の疑問点

秋穂事務所にできること
秋穂事務所では、2号特定技能外国人の受入れ前から受入れ後まで、外国人がキャリアアップしつつ活躍できる仕組みを受入れ企業様と共に作るためのサポートをさせていただきます。
関連リンク
- 出入国在留管理庁
- 特定技能制度 | 出入国在留管理庁
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について-(PDF)
- 飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(PDF)
- 「飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領(PDF)
- 飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について|農林水産省
- 制度説明資料:飲食料品製造業分野における特定技能外国人受入れの制度について(PDF)
- OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構 特定技能1号・2号技能測定試験
- 特定技能2号試験に関するQ&A(PDF)
- 飲食料品製造業特定技能技能測定試験実施要領(PDF)
- 飲食料品製造業分野特定技能2号技能測定試験について(PDF)
- 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)
- 食品産業特定技能協議会に関して、よくある質(PDF)